10月7日（月曜日）夜中のお天気は曇りかな・・・：最高じゃん！：SSブログ

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人を大切に思うことは
人に幸せを与えることである

朝の新宿　いつ雨が降って来ても・・・

第26回（平成13年）
ごはん・お米とわたし
作文・図画コンクール
文部科学大臣賞（作文2部）
「家族と田んぼ」
福井県丸岡町　上坂くん（当時小学4年）

　　　　　　　イメージイラスト／Hide

（今年もぼくは田んぼの手伝いに来ているんだなあ。）
汗がぽたぽた地面に落ちます。
Tシャツが汗ではりついて灰色に変わっていきます。
いねかりの仕事は汗との戦いです。
　ぼくの家には田んぼはありませんが、毎年おばあちゃんの
田んぼの手伝いをします。
（暑いのに行きたくないなぁ。夏休みの宿題だって残っているのに。）
本当のことを言うと、ぼくは田んぼの手伝いが好きではありません。
でも手伝いに行きたくないと言うと、お母さんは半分おこったように、
「人手がたりないのだから行くのが当たり前。家族は助け合うのが当たり前。」
と言っていつも話しはそこでストップです。
「ザッシュ、ザッシュ、ザッシュ。」
となりで働いているお母さんと二人のおばさんのいねをかる音は、
少しも止まりません。
　おばあちやんの家では、おじいちゃんが早く死んだので、おばあちゃんと
お母さん達三姉妹が二町三反の田んぼを守って来たそうです。
長女のお母さんは、子供のうちからずいぶん手伝いをまかされ、冷たい風に
ふかれてのあぜ打ち、真夏の草取り、暗い道を帰る心細さ、昔の辛かった時の
事を今でも時どき話しています。
そんなお母さんなのに、おばあちゃんから田んぼに手伝いに来てと電話があると、
田んぼ仕事を楽しみに待っているのがぼくにも分かります。
一度、お母さんに田んぼが好きかと聞いたことがあります。
お母さんは笑っているだけで答えてくれませんでした。
たぶん、ぼくには分からない特別の気持ちがあるからだと思います。
「そろそろ休憩にしまっしゃ。」
田んぼの横の木のかげで休んでいたおばあちゃんからのお昼の合図です。
お昼ご飯は、毎年三角田んぼの木かげで食べることになっています。
おばさん達のお昼ご飯は、ものすごくにぎやかな昼ご飯です。
最初から最後まで笑い声がなくなりません。
ぼくは食べながらおばさん達に仲のいいひみつを聞いてみました。
「そうやね、昔いっしょに一ぱい苦労したから、今は仲がいいのかもしれんね。」
「子供の時からずっとこんな感じだったんよ。田んぼから上がって、ここですわって
ご飯を食べてると昔となんも変わらん。なんか若うなった気がするわ。」
と言って三人いっしょに大笑いしました。
お母さんとおばさんたちを見ていると、本当に子供時代に戻ったみたいに見えます。
　わざわざいねかりの手伝いのために、みんなが遠くから集まるなんて、もったいないと
ずっと思っていましたが、みんなの笑い声を聞いていると、ぼくにも
理由がわかったような気がしてきました。
田んぼの仕事は大変だけど、家族をつないでいる大切なしごとなんだなぁと思ったら。
ぼくも少しだけ田んぼ仕事が好きになれそうな気がしました。
※全文掲載しました。

届いた懐かしの音楽CD
音楽は、人の心を、人の記憶を、人の生活を、豊かに彩るもの。
音楽は、人の心をあたため、人の心を癒し、人の心をつなぐもの。